ワインはアンチエイジングに効く!? そんな噂を耳にしたことはありませんか?
なんとなく健康的なイメージのあるワイン。
だから老化対策にも良さそう、って思っちゃいますよね。
本日はワインのアンチエイジング効果について、ご紹介したいと思います。
そもそも老化とは?
老化とはなんでしょうか?
老化とは "不可逆的な退行現象" と定義されます。
要するに、時間の経過とともに心身の機能低下が進み、後戻りできない状態のことです。
これを加齢(エイジング)とも言います。
生物学的に、私たちのカラダは生殖細胞(卵子と精子)を運ぶためにあるので、生殖年齢である50歳(±2)を過ぎると、よりはっきりと老化してくると言われています。
生殖細胞を運ぶ必要のなくなった肉体は死ぬ運命にあるというのが加齢の理りなのです。「加齢により老化して死ぬ」という自然の摂理は変えることができません。
しかし、その加齢による身体の変化は誰もが同じというわけではありません。同じ年齢でも、若く見える人もいれば、結構老けて見えるなぁ、なんてことは同窓会などでよくある話です。
アンチエイジングとは?
もはや言葉としてすっかり定着した 抗老化=アンチエイジング とは、いったいどういう意味なのでしょうか?
実は生物学的な老化というものは、ゆっくり次第に進んでいくものではなく、割と一気に進行することが多いようです。
身体の生理機能が低下し、気力や体力が衰えてくると、「生きる力」が萎えてきます。
加齢変化だけで終わりを迎える「老衰」は、全体のたったの5%だというデータがあります。
残りの95%の人々は、病気や機能障害などで晩年を過ごしているのです。
日本人の死因の第1位は「ガン」ですが、高齢者に限っては、免疫力低下による「肺炎」がその死因の一番になっています。
これらのことから、加齢と共に多くなる病気や機能障害を防ぐことができれば、より素敵な毎日を送ることができるはずです。
アンチエイジングとは、まさに、
加齢をによる身体変化を理解し、健康を意識した毎日を過ごす!
ということになるのではないでしょうか。
抗老化(アンチエイジング)のためのアクション
抗酸化を意識する=活性酸素を除去する
老化を進行させてしまう原因の大きなものの一つに「カラダの酸化」という現象があります。(他は、「糖化」と「ホルモンバランスの変化」と言われています。)
俗にいう「カラダがサビる」という現象です。
私たちのカラダは呼吸によって酸素を取り込み維持されているのですが、取り入れた酸素の実に2%が活性酸素になると言われています。
活性酸素とは?
通常の酸素よりも反応性の高い酸素種の総称で、DNA、タンパク質、脂質、糖質などの整体成分と反応(酸化)することによって損傷を与え、生活習慣病などの病気の発症、老化に深く関係することが報告されています。
引用:ワインの秘密より 清水健一著 PHP出版
この活性酸素には4つの種類があるのですが、そのほとんどの活性酸素に対しては、人間は消去する酵素をもっており自然に取り除く力があります。
が、その活性酸素の中でも最も凶悪な「ヒドロキシラジカル」と呼ばれるものに対しては、ヒトは消去酵素を持っていません。なんということでしょう(汗。
でも大丈夫。ご安心ください。
私たちは、毎日の食事や飲み物の成分によってそれをやっつけることができているのです。そうでなければ、我々は生体成分の損傷によって、簡単に病気になったり、老化してしまいます。
このことから私たちがアンチエイジングを考える際、まずはこの活性酸素除去を意識した飲食、つまり抗酸化力が高い飲食をすることが非常に重要なのです。
有名なところでは、ビタミンCやビタミンEを豊富に含む果物などがすぐにイメージできると思います。そういうものを意識的に摂取することが、アンチエイジングに繋がるのです。
なお、活性酸素については、後日また別のトピックとして詳しくご紹介いたします。
それでは本日のお題である「ワインのアンチエイジグ力」、すなわち、ワインの活性酸素除去能力=抗酸化力にはどのようなものがあるのでしょうか?
ワインに含まれる抗酸化に効果がある成分の代表各は、ずばり、ポリフェノールです。
ポリフェノールは、光合成によって作られる植物の色や苦味、渋みの成分のことです。現在5,000種類以上のポリフェノールの存在が知られています。
特に赤ワインには、数多くのポリフェノールが含まれており、その中でも抗酸化力が非常に強いものを2つ紹介します。
それは、
の2大ポリフェノールです。
プロアントシアニジン(OPC)とは
自然界最強と言われる抗酸化力を持ち、ブドウの皮や、主にブドウの種子に多く含まれる渋み成分
のことです。自然界最強っていう触れ込みが凄過ぎますね。
その抗酸化力はビタミンCの20倍、ビタミンEの40倍とも言われており、最強のアンチエイジング成分とも言えます。
レスベラトロール(RSV)とは、ブドウの皮や種子、葉や茎などに含まれる、ポリフェノールの一種です。
こちらも上述のOPCと同様に強烈な抗酸化力を持っていて、この後にご紹介する「長寿遺伝子(サーチュイン)」に直接働きかける、まさに「アンチエイジングの救世主」として、近年数多くの研究がなされいる物質です。
長寿遺伝子を刺激する
実は今、赤ワインに含まれる成分の中でも特に大注目されているのが上述の「レスベラトロール」なんです。
以前NHKスペシャルで放送されてからというもの、今でもその熱は止まず、これまでも数多くのレスベラトロールの商品が世に送られてきました。
このレスベラトロールが注目されるのは、私たちの体の中にある「長寿遺伝子(サーチュイン)」を活性化することがわかったからなのです。
長寿遺伝子とは
長寿遺伝子(サーチュイン)とは、生物の老化を防止し、寿命を伸ばすとされる遺伝子で、誰もがもっています。活発化させることで人類の寿命を伸ばすことができると言われています。
サーチュインとは体内で非常に重要な役割を担っている酵素群(タンパク質)のことです。これは飢餓状態の時に働く遺伝子で、およそ百にもおよぶ老化要因を抑える効果があると考えられています。
引用:レスベラトロールの秘密 佐藤充克著
まさに不老不死を求める人類の救世主のようなこの長寿遺伝子(サーチュイン)ですが、現在の飽食の時代においては、残念ながらいつも「OFF」になっているそうです。現代社会においては、みずからカロリー制限して飢餓状態をつくらなければ、活性してくれないという厄介な事実が存在していたのです。
ところが2003年、Dr.シンクレア教授によって、
レスベラトロールがサーチュインに直接作用することを確認し、レスベラトロール摂取がカロリー制限と同じ効果をもたらす
という論文が発表されたのです。その後、マウスの研究でも同様の結果が得られたことで、レスベラトロールの摂取により、カロリー制限なしでサーチュインをONにし、老化防止効果が期待できる。と考えられるようになったのです。
その結果、
ポイント
- レスベラトロールをたくさん含む赤ワインを飲む
- 長寿遺伝子(サーチュイン)が活性する
- アンチエイジングに繋がる
という論理が考えられるようになりました。
とわ言え、レスベラトロールの人体に対する研究や実験のデータは、まだまだ発展途上です。一方で、レスベラトロールに関係する研究者の方々の論文は、毎年右肩上がりで発表され続けています。
私は近い将来、長寿に完璧に結ぶつく成分として立証されることを願っています。
終わりに
古来より人類の夢である健康で長生きしたいという欲求。不老不死の夢。
それがアンチエイジングという言葉になり、現代社会においても様々な情報が飛び交っています。
超高齢化社会が現実になった日本においても、健康なカラダのままできるだけ長く過ごすことが、今後ますます重要になっていることは私がいうまでもありません。
現段階では、「ワインを飲めば健康になる!」という短絡的なものにはなっていませんが、少なくとも、グラスを傾ける際に、ご自身の健康について少しでも考えることが、実は究極のアンチエイジングのアクションになると思います。