ピション・バロンの魅力に酔いしれた夜 at ペニンシュラ東京

ボルドーのポイヤックにある『シャトー・ピション・バロン』
ソムリエ試験の時に「ぴしょん、ピション!」と唱え暗記した、あのボルドー格付け2級のシャトーです。

このたび、ワインインポーターである「セパージュ株式会社」様にご縁をいただき、Ch.ピション・バロンのディナーイベントに参加させていただきました。
会場はペニンシュラホテルの24階「THE SKY」。ホテルの建物を外から見た時に大きくせり出していることがわかる宴会場。
その三角形の豪華なお部屋への入場と同時に、すでにワクワク感が止まりません!

ピション・バロン(Pichon-Baron)は、17世紀頃はピション・ラランドと共に、同じひとつのシャトーだったそう。
そこから数度当主が代わり、子孫に受け継がれ、1933年にブティエ(Bouteiller)家に売却。その後、1987年フランスの大手保険会社アクサ・ミレジム社が購入。その資本力を生かし、シャトー、畑、セラーに至る大掛かりな改築を行い、近年ますます高品質になっているシャトーです。

そして街道を挟んでピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドと並んでいるそうです。
さらにラトゥールやレオヴィル・ラスカーズ、レオヴィル・ポワフェレが隣接している、とても素晴らしい場所に位置しているすごいシャトーです。

私はピション・バロン初体験。もう飲む前から期待しかない!
早速お待ちかねのワインのラインナップはこちら。

・レ・グリフォン・ド・ピション・バロン 2020

シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 2020

・シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 2015

・シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 1990

まずはセカンドワインである「レ・グリフォン・ド・ピション・バロン 2020」とファーストの「シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 2020」を飲み比べ。
いきなりのグリフォンは、セカンドとは思えないほどの凝縮果実感っ! さらに本当に2020かと思えるほどのまろやかさ。

しかし、ピション・バロン2020を口にすると、グリフォンとは全く別次元の味わい。
黒系果実の中でも上質なエッセンスだけが詰まっている感じ。さらに一層滑らかなタンニンの心地よさが口の中に広がり、自然とニヤニヤしちゃう。

お食事を楽しみつつその流れで、ピション・バロンの2015と1990を比較しながら飲むという、これまた夢のような体験へと突入。
この2つは、前出の2つとはこれまた別世界(笑。 筆舌尽くし難い幸せな味わい。
ポテンシャルが高いブドウで造るワインは長期間の熟成を経ても尚、こんなにも味わい深くなるのか、という感動に酔いしれるひととき。

とにもかくにも、ボルドーワイン恐るべしっ! という素晴らしいワインたちだったことは間違いありません!

そして、合わせて出てくるお料理の一皿一皿が、これまた最高!
素材の味わいを素直に活かしながらも、ワインとの相性が抜群になるように味付けされていました。まさに一口一口が素晴らしいマリアージュを奏でています。

素敵なお食事のラインナップはこちら。

冷製前菜:愛媛県産伊達鮪のマリネ ナスのコンディメント 白味噌 赤ピーマンのソース

温製前菜:国産牛頬肉のラビオリ 椎茸のコンソメ 紫蘇

メイン:ラムラックのロースト セルリアックのピューレ キャベツのコンフィ ペコロス フォンドボー

デザート:ロックフォールチーズとクリーウチーズのダブルチーズケーキ オレンジ アプリコット レモンハニーソルベ バニラ風味のオリーブオイル

どのお食事も素晴らしかったのですが、中でも一番驚いたのがデザートでした。
フランスのブルーチーズ「ロックフォール」と、クリームチーズを使用した一品。舌に絡んでとろけるようなその味わいは絶品。
そもそもロックフォールをデザートに使用するなんて贅沢すぎるっ!

そして、合わせるワインはソーテルヌから「Ch スデュイロー 2016」が登場。
甘口ワインながら、しっかりとブドウの果実感を残しつつ、苦味と酸味も感じさせる。このデザートとの融合は本当に素晴らしかったです!

さらにトドメにシークレットボトルも登場。
同じくCh スデュイローの白ワイン。セミヨンとソーヴニョン・ブランの混醸のブランというレアなワインも最高でした。

とにかく全てが想像を超える内容に圧倒されながら、終始ニヤニヤしながら飲んで食べた至福の時間。
自身の2024年のNo.1 ワインイベントになった一夜でした。

「Ch.ピション・バロン」にご興味のある方は、ネットや並行輸入ではなく、セパージュ株式会社様へお問い合わせしてみることをオススメします。
現在1990年ヴィンテージは日本には在庫はないそうですが、お問い合わせのタイミング次第では、あなたのためにお取り寄せしてくれるかもしれません!

 

まだまだ深すぎるワインの世界。
『全てを飲むには人生は短すぎる。』なんて誰かのセリフを思い出しながら帰路に着く、いまだ残暑を感じる初秋の都会の夜でした。